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弁護士法人いまり法律事務所

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連帯保証の解除・解約(賃貸借編)

いったん連帯保証人になった場合に,後日解除することはできるのでしょうか?

連帯保証は,債務を履行すべき当事者(主債務者)が履行できない場合に,担保とする目的ですから,そう簡単に解除できては制度として機能しません。

原則論としては,連帯保証人となる契約をした時点で,重大な事実誤認(錯誤)や詐欺・強迫行為があった場合などに限られます。
これは,契約時点の事情で,契約後の事情ではないですね。

ただ,契約後の事情によって解除できる場合が全くないわけではありません。

今回は,賃貸借契約の場合を取り上げます。

賃貸借の保証について保証契約の解除を認めた,非常に古い判例があります(大審院昭和8年4月6日判決)。
これによると,

  • 期間の定めのない保証契約を締結後相当の期間が経過し
  • かつ,

  • 賃借人がしばしば賃借料の支払いを怠り,将来においても誠実にその債務を履行する見込みがない
  • にもかかわらず,

  • 賃貸人が賃貸借契約の解除・明渡請求等の措置をとらない場合
  • には,

  • 保証人は賃貸人に対する一方的意思表示により保証契約を解除できる

と判断されています。
なお,同判例は,解除の効力について,過去に遡ってではなく,将来に対してのみ,保証の解除(解約)を認めていると考えられます。
したがって,既に発生している滞納賃料まで免れるわけではありません。

具体的に,どれくらいの期間が経過して,どれくらいの賃料滞納があれば,解除が認められるのでしょうか。

上記の判例の事案では,

保証契約の締結から約10ヶ月経過
賃料の滞納が始まってから約6ヶ月経過

によって,「相当期間を経過」したと認められる,としています。
相当以前の判例ですので,そのまま現在に適用することには慎重であった方がよいでしょうが,参考にはなるはずです。

実際の場面では,内容証明郵便等で解除の意思表示をしつつ,貸主側と交渉して和解的解決(一定の条件で解決する旨の合意)を目指すことになるでしょう。
具体的には,一定の期間分の滞納賃料を保証人として支払う代わりに,連帯保証を解除する,という方向での交渉になるでしょう。

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