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弁護士法人いまり法律事務所

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相続法が変わります(前編)

最近,大型の法改正が続いていますね。

民法のうち相続法部分が改正されます。
施行日は,2019年7月1日です(原則,一部例外あり)。

そこで,改正によって,具体的に何ができるようになるのか,簡単にまとめてみました。
相続法改正のポイントは,以下のとおりです。

  1. 配偶者の居住の権利・・・短期居住権と長期居住権の制度の新設
  2. 遺産分割に関する見直し・・・配偶者間の一定の生前贈与・遺贈の特別受益からの除外,預貯金等の仮払い制度の新設,遺産の一部分割の容認,遺産分割前に遺産処分がなされた場合の遺産の範囲の明確化
  3. 遺言制度に関する見直し・・・自筆証書遺言の方式緩和と保管制度の創設など
  4. 遺留分制度の見直し・・・金銭解決への一本化(遺留分制度の金銭債権化)など
  5. 相続の効力等に関する見直し・・・相続人と第三者との関係の明確化など
  6. 特別の寄与・・・相続人以外の者の貢献を考慮する制度の新設

 

今回のコラムでは,上記の1,2について解説いたします。
(次回のコラムで,上記3〜6の解説をいたします。)

1. 配偶者の居住の権利・・・短期居住権と長期居住権の制度の新設

まず長期居住権は,これによって遺産分割の選択肢が増えます。

具体的には,
「遺産である住居を子どもが相続するが,生存配偶者の居住権を設定し,生存配偶者の存命中は生存配偶者が居住する。」
という方法ができるようになります。

これをするには,相続人全員の合意か,裁判所の判断(審判)が必要です。

今までも相続人間の合意で近いことは可能でしたが,住居を相続する相続人と生存配偶者の間の信頼関係が崩れれば居住の保障はなくなってしまうものでした。
改正後の長期居住権は,生存配偶者の存命中存続し,登記することができるなど,居住「権」として強化されました。

次に短期居住権は,遺産である住居に居住している生存配偶者が,一定の期間,従前どおり無償で居住できるようになります。
過去の判例でなされた事例判断を,一般化・制度化したものです。

想定される具体的な場面は,
・配偶者を含む相続人間で遺産分割をして住居を相続する者を決める場合:遺産分割をするまで(最低でも6ヶ月間)
・被相続人の遺言等で住居が配偶者以外の所有になった場合や,配偶者が相続放棄をした場合:住居を取得した者の申入れから6ヶ月間となります。

2 .遺産分割に関する見直し・・・配偶者間の一定の生前贈与・遺贈の特別受益からの除外,預貯金等の仮払い制度の新設,遺産の一部分割の容認,遺産分割前に遺産処分がなされた場合の遺産の範囲の明確化

1つ目は,配偶者間の一定の生前贈与・遺贈の特別受益からの除外(持戻し免除の推定)です。
一定の条件を満たす配偶者間の生前贈与・遺贈は,原則として特別受益と扱われなくなるので,配偶者が相続できる財産が増えます。

一定の条件とは,
・婚姻期間が20年以上である夫婦の間で,
・居住用建物または敷地について,
・生前贈与または遺贈をしたこと,
です。

なお,推定とあることから,争う側の立証によって特別受益扱いとなる余地もあります。

2つ目は,預貯金等の仮払い制度の新設です。
遺産である預貯金について,相続人単独で,「相続開始時の預貯金債権額✕法定相続分✕1/3,かつ150万円以内の額」まで,払い戻しを請求することができるようになります。
最高裁の平成28年12月19日大法廷決定が,遺産である預貯金債権について,各相続人単独の法定相続分による払戻請求を否定する判例変更をしたことが背景にあります。
今回の改正で,各相続人が単独で払戻請求できる条件と範囲が明文化されました。

3つ目は,遺産の一部分割の容認です。
家庭裁判所の調停や審判で,遺産の一部のみの分割が正面からできるようになります。
これまで,任意の遺産分割協議では一部分割が事実上できましたが,調停や審判では遺産の全部を分割することが前提でした。

4つ目は,遺産分割前に遺産処分がなされた場合の遺産の範囲の明確化です。
相続開始後,遺産分割前に相続人の1人が遺産を費消した場合に,他の相続人全員の合意で費消分も遺産に含めて遺産分割することができます。

次回のコラムでは,上記3〜6の項目について解説いたします。

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